光合成細菌 RAP99 の自然免疫系試験(in vivo,in vitro)

自然免疫系試験

マクロファージ細胞RAW267.4細胞に対するNO産生試験

マクロファージとは

RAP99濃度によるNO産生量の変化について

RAP99濃度によるNO産生量の変化について

白血球の1種で、異物を貪食する、敵の情報を他の免疫細胞に伝える、サイトカインを産生するなどの働きをもつ。本試験ではマウスのマクロファージ細胞を用い、活性化されると産生する一酸化窒素(NO)の量を測定した。

結果・考察

光合成細菌RAP99を加えることによって NO量 が増加。これはマクロファージが光合成細菌RAP99によって活性化されたことを示しており、生体防御機能も高まるのではないかと推察される。

【試験責任者:東北薬科大学(現:東北医科薬科大学)教授 石川正明】

51Cr遊離法を用いたNK細胞活性測定試験

NK細胞とは

細胞障害活性と脾臓細胞によるNK活性について

細胞障害活性と脾臓細胞によるNK活性について

免疫を司るリンパ球の1種。数ある免疫細胞の中でも、がんに対して高い攻撃力を持つことで知られている。本試験では、光合成細菌RAP99によりNK細胞の活性がどれだけ高まるかを測定した。

結果・考察

光合成細菌RAP99によってNK細胞の活性が上昇。

標的となるYAC-1細胞に対し、NK細胞を含んでいる脾臓の割合を1:50として混合した試料において、特に細胞障害活性が対照と比較して1.7倍増加。

光合成細菌RAP99のがん細胞増殖抑制効果が、免疫細胞の活性化によるものである可能性が考えられた。

【試験責任者:東北薬科大学(現:東北医科薬科大学)教授 石川正明】

マクロファージ細胞RAW267.4細胞に対するTNF-α産生試験

サイトカインとは

RAP99濃度とTNF-α産生量の関係について

主にマクロファージから産生される物質。その中でも「TNF-α」は腫瘍壊死因子と呼ばれ、がん細胞の増殖を抑えるサイトカインとして注目されている。本試験では、マウスのマクロファージ細胞を用い、TNF-α産生量を調べることで、免疫反応の指標とした。

結果・考察

光合成細菌RAP99を加えることによって、サイトカインTNF-αが増加。これにより、免疫細胞が活性化されることが推察される。

【試験責任者:東北薬科大学(現:東北医科薬科大学)教授 石川正明】

HEK293細胞を用いたTLR活性化確認試験

TLRとは

TLRは、トル様受容体(Toll Like Receptor)といい、細菌やウイルスなどの外敵の侵入を感知するセンサーの働きをしている。自然免疫系の細胞が持っており、ヒトでは現在10種類(TLR1~TLR10)が確認されている。それぞれが異なる病原体を認識して活性化し、獲得免疫へと誘導される。

試験の目的

光合成細菌RAP99(以下RAP99)およびRAP99由来LPS(以下RAP99-LPS)によるTLRの活性化について、HEK293細胞※1を用いて明らかにする。

※1:ヒト胎児の腎臓由来の細胞株のこと。

これにTLR遺伝子を導入させたものを試験に用いた。TLRが活性化されるとIL-8※2が産生されるように設計されている。

※2:細胞間の相互作用に関与する物質であり、自然免疫系の重要な役割を担っている。

試験結果

各TLR遺伝子を導入したHEK細胞(①TLR導入なし、②TLR4、③TLR2、④TLR9、⑤TLR4/MD2/CD14※3)を用いてTLR活性試験を行った。TLRが活性化されるとIL-8が産生されるため、IL-8の濃度が高いほどTLRが活性化されていることを示す。

陰性対照物質は培養液(medium)、陽性対照物質は乳酸菌死菌、または小麦やサツマイモなどの植物と共生している細菌より精製したLPS(以下、LPSp)を用いた。結果を以下に示す。

※3:TLR4にMD2やCD14といった補助因子を結合させたもの。

TLR4は単体で用いるよりも、MD2やCD14と結合することで機能を発揮するといわれている。よって、TLR4活性試験はTLR4単体と、TLR4にMD2およびCD14を結合したTLR4/MD2/CD14の2種類を行った。

図1 TLR導入なしHEK細胞におけるIL-8産生結果

①TLR導入なしHEK細胞

図1にTLR導入なしHEK細胞におけるIL-8産生結果を示す。

この結果、全てにおいてIL-8の誘導は認められなかった。

図2 TLR4導入HEK細胞におけるIL-8産生結果

②TLR4導入HEK細胞

図2にTLR4導入HEK細胞におけるIL-8産生結果を示す。

この結果、陽性対照物質のLPSpではIL-8が産生されたと考えられるが、その他の試料ではバラつきが大きく、有意な値ではないと考えられる。

図3 TLR2導入HEK細胞におけるIL-8産生結果

③TLR2導入HEK細胞

図3にTLR2導入HEK細胞におけるIL-8産生結果を示す。

この結果、RAP99熱水抽出物とRAP99粉砕懸濁液では、陽性対照物質の乳酸菌死菌と同様に用量依存的なIL-8の誘導が認められた。よって、RAP99熱水抽出物およびRAP99粉砕懸濁液はTLR2を活性化させる働きがあることが推測された。また、RAP99-LPSについては、IL-8の誘導は認められなかった。

図4 TLR9導入HEK細胞におけるIL-8産生結果

④TLR9導入HEK細胞

図4にTLR9導入HEK細胞におけるIL-8産生結果を示す。

この結果、RAP99熱水抽出物とRAP99粉砕懸濁液では、用量依存的なIL-8の誘導が認められた。よって、これらはTLR9を活性化させる働きがあることが推測された。また、RAP99-LPSについては、IL-8の誘導は認められなかった。

図5 TLR4/MD2/CD14導入HEK細胞におけるIL-8産生結果

⑤TLR4/MD2/CD14導入HEK細胞

図5にTLR4/MD2/CD14導入HEK細胞におけるIL-8産生結果を示す。この結果、いずれの試料からもIL-8の産生が認められ、特に陽性対照物質のLPSpとRAP99-LPSは低用量からIL-8の産生が認められた。

よって、RAP99-LPS、RAP99熱水抽出物およびRAP99粉砕混濁液のいずれにおいてもTLR4を活性化させる働きがあることが推測された。 TLR4を単体で用いた場合には、IL-8の産生は有意なものとして認められなかったので(図2参照)、TLR4を活性化させるためには補助因子であるMD2とCD14が必要であると考えられる。

結果まとめ・考察

表1に結果のまとめを示す。+は活性化、-は反応なし、±はどちらともいえないことを示す。

表1 RAP99のTLR活性試験結果まとめ

以上の結果から、RAP99-LPSは、TLR4を活性化させることが明らかになった。

ただし、TLR4単体では有意な結果が得られなかったことから、TLR4を活性化させるためには、補助因子であるMD2およびCD14が必要であることがわかった。

また、RAP99熱水抽出物およびRAP99粉砕懸濁液については、TLR2、4および9のいずれも活性化させると考えられる。

【試験責任者:自然免疫応用技研株式会社】